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焙煎をはじめたあなたに
拝啓 A様
焙煎でお悩みのご様子、他人事とは思えませんでした。
私もかつては焙煎に悩んでしんどい日々をすごしたことを思い出しました。
あなたのように、まじめな方ほど
「うまく やけない」と、落ち込んでしまいます。
ですが、実はそこには違う問題がある ということがあります。
同じ銘柄の豆をずっとやいているということでしたが、 生豆問屋や商社に同じ銘柄、同じ農園のものを頼んでも中身が同じということはありません。
麻袋の下のほうにロット番号というのがあります。
国番号、農園番号、ロット番号の順に並んでいます。
農園で出荷のときに麻袋に印刷します。
余談ですが、購入するとき頼めばお好みのロゴや文字なども入れてくれます。
ロット番号は普通コンテナに積む量から逆算して250本ほどが1単位です。
最近は-スペシャルティコーヒーの流通が増えてきたので-あるだけ、例えば100本とか30本でも1つのロット番号ということもあります。
このロット番号が同じものは同じ品質と考えてもいいかと思います。
逆にロットが変われば中身は変わります。
これ以上詳しいことは別の機会にお話ししましょう。
一番危険な買い方は、ブランドの豆-いわばプレミアムコーヒーといわれるもの-を10kgなど小分けで買うことです。
偶然にせよ、故意にせよ、中身が注文のものと違うということがないとはいえません。
小分けにされたものについては、何もいえません。
ブルマンNo.1や、モカマタリ、モカイルガチェフェ、ハワイコナなど価格の高いものは販売者を誘惑する豆です。
すべての問屋さんが混ぜ物をするということではありませんが、トレサビリティという観点からも麻袋で買われることをお勧めします。
お勧めできる買い方としては
まず、サンプルをもらう。
テストロースターがなければやき豆でもらう。
大きい欠点がないか(カビ・発酵・リオ・異臭)
価格に見合う良さがあるかを調べます。
ただ、テストロースターでは 良さがうまく出せていないこともあります。
あと、まれにですがサンプルと現物が違うということもあります。
会社の体質、担当者の性格、たまたまのアクシデントなど理由はいろいろですが、そういう論外なこともないとは限りません。
気に入ったら、出来れば3袋は同じものを買うこと。
別に一括で買わなくても、
「これを3本買います。」
という契約をすれば、おとり置きしてくれます。
ただ たとえ口約束でも、買うといったものは必ず買いましょう。
「ごめんね、いらないわ」などというと、きっとどこかでしっぺ返しを食らいます。
いい豆がほしければ、いい取引を重ねることだと思います。
豆は1品目からでもいいですが、出来ればやわらかい代表としてブラジルのナチュラル。
硬い豆−高地産ーとして、中米とアフリカのウォッシュド(水洗)各1種類位から始めたらいいと思います。
ですが 3種類が多ければ最初は2種類でもかまわないし、ブラジルは使わないのであれば1種類でもかまいません。
自分の店での売り方、使い方、仕入れで使える予算などと相談してください。
同じロットのものを、3袋も使うとその農園、その銘柄のことが少しはわかります。
3袋ともばらつくようなら 「その問屋さんのその銘柄」は、すぐやめたほうがいいです。
余裕があれば、1年間同じロットのものを使ってみると勉強になります。
四季の変化、豆がニュークロップからオールドクロップへ変わっていくのを自分の焙煎で感じることが出来ます。
季節が変わると、ある日いきなりうまくやけなくなったりします。
苦労したニュークロップが 夏を越すとやき易くなったりします。
豆の経時変化・気候の変化と焙煎の関係を知り始めると、焙煎が楽しくなります。
いい豆をうまく見つけて がんばってください。 |
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