1. 2017年4月中米出張レポート -ホンジュラス編②ネルソン-

2017年4月中米出張レポート -ホンジュラス編②ネルソン-

前回はドライミルを持つ輸出業者 San Vicente(サンビセンテ)をご紹介しました。

今回はそのあとに訪れた農園の一つ、ネルソンをご紹介します。

ネルソンはカフェタイムの定番商品の一つにもなっている素晴らしいコーヒーです。

ホンジュラス ネルソン

コーヒー生豆

生産者はネルソン ラミレスさんです。

ネルソン ラミレスさんと

敷地には2つの農園があり、合わせてFincas Don Chand(フィンカス ドン チャンド)という名前がつけられています。

敷地内にはラスフローレス農園とエルセリート農園があり、さらにエルセリート農園はチェリー、アンドロスの2区画に分かれています。

ドンチャンドの面積は約14ヘクタール、標高は海抜1,500〜1,600メートル、ヨホア湖の北東に位置しています。

Google maps

サンビセンテからは車で30分ほどで到着しました。途中から舗装されていない砂利道を通っていきます。山道を登りきるとネルソンさんの農園に着きます。山道の途中からはコーヒー農園が続いていました。

敷地の入り口付近。右手にはコーヒーの木が見えます。

南側にはイエローカトゥアイ、北側にはレッドカトゥアイ、そしてより標高の高い敷地にはパカスという品種が植えられています。

左側が南。北側には屋根付きの乾燥室が見えます。奥の斜面にもコーヒーの木が見えます。

 

農園の周辺には日常的に霧が発生するそうです。風の通りもよく、このような地形もマイクロクライメイトの構成要素の一つで、コーヒーの味に影響を与えています。

農園にかかる霧

ネルソンさんは家族で農園を営んでいます。一人一人に担当する工程が決まっていました。

 

発酵槽を見せてもらいました。

発酵槽とはパーチメントコーヒー(内果皮)の周りについているMucilage(ムシレージ)と呼ばれる粘着質を酵素反応により分解させて洗い流すところです。パーチメントコーヒーを半日から2日ほど水に浸けておきます。この工程では発酵工程中の温度管理や、発酵にかかる時間、発酵完了の見定めをしっかりとする必要があります。品質を左右する重要な工程の一つです。

アテンドしてくれたアンヘルさんもネルソンさんの発酵槽についての説明してくれました。

4つの発酵槽があり、手前から3番目の発酵槽にはパーチメントコーヒーが見えます。発酵槽はとても清潔に保たれていて、発酵に使用する水もきれいで澄んだ水が使用されていました。設備をきれいに保つことも品質管理の重要なポイントです。

発酵処理を終えるタイミングや時期による発酵時間の違いなどを説明してくれました。

 

来年の取り組みとして、パルピングした際に出る外果皮をオーガニックの肥料として使用できるようにしていくそうです。

パルピングとは、摘み取ったコーヒーチェリーを機械(果肉除去機/パルパー)に通してパーチメントコーヒーと外果皮に分ける工程です。

実際はただ外果皮を剥き取るだけではなく、この工程では完熟したコーヒーチェーリーと熟し切っていない未熟なコーヒーチェリーを仕分ける、とても重要な工程です。

チェリーの外果皮

 

次は屋根付きの乾燥室を見せてもらいました。まだ設営して間もないそうです。

4段式の乾燥棚

乾燥室の中には4段の乾燥棚が並んでいます。発酵処理を終えた水分量50%ほどの、水分の多いパーチメントコーヒーはまずは最下段に置かれます。水分量が経るにつれ、上の段へと移していき、最終的には最上段で水分量12%程まで乾燥させます。水分値はパーチメントコーヒーを触った感触や、パーチメントコーヒーを手で割って取り出したグリーンビーンの感触で判断をします。水分値40%ではグリーンビーンは噛み切れるほど柔らかいですが、20%ではグリーンビーンは硬くなりパーチメントコーヒーを握って微かに水分を感じる程度でした。

A4サイズの用紙には持ち込まれまパーチメントコーヒーについての情報が記録されていて、番号により管理されています。

コーヒーチェリーが収穫された区画、発酵完了日、乾燥開始日、格段に移動した日付などが細かく記録されます。

最終的にアンヘルさんのドライミルでカッピングをして品質についてのフィードバックを受けます。

パーチメントが割れていないか、外果皮が付いたままのものはないかなどを確認しています。

ネルソンさんのところでは下から2段目の高さでハンドピックがおこなわれ、不良豆が取り除かれます。ネルソンさんは非常に丁寧に処理をしていて、上段にはきれいなパーチメントコーヒーだけが残っていました。

乾燥室の湿度や通気性、またこういった作業の様子は実際に訪れてみなければ確認することができないことでもあります。

乾燥が終わったパーヒメントコーヒーはビニール袋に入れられ、サンビセンテのドライミルに運ばれます。

 

そのあとは農園内を見て回りました。

 

農園内には完熟したコーヒーチェリーがみうけられました。

熟したコーヒーチェリー

未熟(右)から完熟(左)まで

コーヒーの花

剪定方法の確認

農園内では、品種やエリアごとの木や葉の状態、土の状態、木と木の間隔、剪定方法、肥料の与え方など多くのことを見ていきます。1月頃からの収穫期の天候の様子や、ホンジュラスでも大きな被害が出ているサビ病の状態と対処法などの話も聞きます。

非常に多くのことが品質に影響を与えているので、様々な事柄について話し合いをしながら改善点のアドバイスなどをおこないます。高品質なスペシャルティコーヒーを生産していくことは大変な労力が必要なことが分かります。

 

次回は翌日に訪れたエルサウセ農園を紹介します。