1. 2017年4月中米出張レポート -グアテマラ編③サンヘラルド農園

2017年4月中米出張レポート -グアテマラ編③サンヘラルド農園

今回はサンヘラルド( San Gerardo)農園についてのレポートです。

サンホルヘ農園から車で1時間半ほどで農園に到着しました。

ソロラ県にあるカルデラ湖「アティトラン湖」の南側に位置して、標高は1、500mです。

この農園はKOFEIでも働かれているポール スタリー(Paul Starry)さんにより営まれています。

農園主のポールさん

google マップ

サンヘラルド農園は多くのシェードツリーがあり、自然林のような農園でした。  

農園内の風景

シェードツリーには驚くほど多くの蝉の抜け殻が付いています。これは農薬が使用されていないことを物語っています。

シェードツリーの蝉の抜け殻

 

農園内は熟練の従業員により管理されています。

農園の管理人

 

艶のある健康な若木や、開花を待つコーヒーの花の蕾が多くの見られます。

コーヒーの若葉
コーヒーの花の蕾

コーヒーの木を健康に保つためには農園内の徹底した管理が必要になります。

農園の説明をして頂きました

取り残されたコーヒーチェリーを放置すると、そこからブロッカという害虫が湧きます。ブロッカの幼虫はコーヒーチェリーの内部に侵入して穴を開けてしまいます。ですので農園内をくまなく調べ、取り除いていきます。

摘み残されたコーヒーチェリー

また、健康ではないコーヒーの木を間引いていくのも大事な仕事の1つです。そのような木は根がとても弱々しくなっています。

 

一通り農園を見学させてもらったあと、ポールさんへインタビューをしました。

 

《ポールさんへのインタビュー》

Q. サンヘラルド農園の歴史を教えて下さい。

A. サンヘラルド農園の始まりはポールさんの曽叔父の所有していた Finca Belen(フィンカ ベリ ン)から始まりました。 1960年に甥達により分割相続され、母親が一区画を引き継ぎました。その後、兄弟からも一部の 区画を買い取っています。 その当時は母親の農園には名前はなかったので、流産して子供に恵まれなかった母親がカトリッ クの聖者サンヘラルドに子宝を願うために聖者サンヘラルドの名前を頂きました。 そして後日、3人の子供を得ることができたのです。 引き継いだ農園にはコーヒーはほとんどなかったのですが、農業が好きだった父親がコーヒーの 生産を始めました。1960年からブルボンのみを植えています。子供の頃から父親が好きで、父親 に付いて回ってコーヒー農園に親しんできました。 2017年現在でも当時のコーヒーが植えられています。また区画内のコーヒーの木も、当時の木の 種子を植えたものです。 1990年に私が大学を卒業した後に、父親から農園を引き継いでコーヒー栽培を本格的に学び始め ました。 

そして、コーヒーの価格が非常に安かったためスペシャルティを始めるようになりました。 2003年からスペシャルティを始め、ウェットミルを作りました。従来のようにチェリーを売って いては生産者は生きていけないと感じていたからです。 自分自身でプロセスを管理することで、確実に高い品質コーヒーを作っていく必要があると考えて いました。 しかし知識も経験もなかったため、ある程度できるようになるのには何年もかかりました。

Q. 生産高などについてはいかがでしょうか?順調ですか?

A. 2012年にはサビ病が流行ったときには、生産高がゼロになりました。その時は全ての木を選定して、初めからからやり直しました。 昨年2016年からサビ病とどう向き合い、対処していくかが分かってきたところです。 コツが分かってきて、今年は昨年と同じ方法で上手く対処することができたので、今は少しリラッ クスできています。昨年はサビ病前と比べて3倍の生産高となり、来年はさらに2倍の生産高を予想しています。現在ではスペシャルティを2コンテナ分生産しています。生産は100%スペシャル ティとして販売しています。管理の難しさと多くの資金が必要なのことからエリアは広げたくない と考えています。農園の面積は現在50~60ヘクタールです。もしエリアを広げるくらいならば、その前に現在の面積での生産高を出来るだけ上げる方を考えたいです。敷地を広げてコーヒーの木をただ植えるのは簡単ですが、管理していくのは難しいのです。また広い敷地があると、肥料やセ キリュティ、また近隣とのやりとりや税金などコストが増していきます。 50~60ヘクタールが丁度良いと思ってます。自分にとって丁度よい忙しさです。

Q. 兄弟も一緒に働いているのですか?

A. 両親が亡くなってから再び3分割されたので弟も妹も農園を持っています。ですので一緒には働いていません。ですが彼らもスペシャルティを生産しています。彼らも私がやっていることが気 に入ったようです。しかしサンヘラルドの名前は私が引き継がせてもらっています。

Q. 品種はブルボンのみでしたね?

A. 栽培しているのは一応ブルボンのみですが、矮小種も少し入っているので全体の90%がブルボ ン100%だと言えると思います。矮小種はカトゥーラとブルボンの変異種ですので、言いようによっ てはブルボンだけではないとも言えますが。結局、自分で植えたブルボンのみです。

Q. 農園の標高は何メートルですか?

A. コーヒーの生産は標高1,500mが最高地点ですが、敷地はより高いところにもあります。その敷地は従業員に分け与えています。社内で重役になるに従いより広い敷地を提供して、独自にトウモロコシや豆類を栽培できるようにしているのです。また従業員へのインセンティブにもなると考えています。正社員の数は35名です。社内ランクが高ければ1.5ヘクタール、より低ければ1.0 ヘクタールや0.5ヘクタールというように分けています。

Q. 処理工程で何を重要視していますか?

A. コーヒーの処理工程において重要なことは数多くありますが、最も重要だと考えているのは清潔さです。 毎日毎日全ての機器を外してきれいに洗うことが大事です。もしきれいにしていなければ、フェノー ルやファーメント、汚いマウスフィールなど様々な影響が出て、言うならばテイストの50%に影響してしまいます。今現在は全ての機械類は塗り替えとメンテナンスのため移動させています。 また水の清潔さもとても重要な要素だと考えています。敷地周辺には水がなかったので、水洗処理 を始めるときには大きなリスクをかけて井戸を掘りました。深さ350mで大きな水源にあたった ため、現在ではきれいな水を使うことができています。350mからの水を使うのはとても電気代が かかりますが、きれいな水を使えるので文句はないです。

また私はウォッシュドだけしかやりません。ハニーやナチュラルはお金もかかりますので、5袋や 10袋のためにやることではないと思っています。

Q. ご家族で農園を運営されているのですか?

A. いえ、家族では自分だけが農園の運営をしています。家は妻と20歳の娘と一緒暮らしています。娘は演劇を学んでいます。脚本などです。まだどの道に進むかは悩んでいるようです。娘はコー ヒーを飲むのが好きになったそうで、将来は生産者になるのもあり得ない話ではないと思います。 ただ親から言うと反発するので、こちらからは言わないようにしていますが。まあ様子見ですね。

ポールさん、ありがとうございました。

《インタビューは以上です》

 

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