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2018年1 月コロンビア出張レポート②

コロンビア出張レポート②

今回の出張ではコロンビア南部の地域も訪れることができました。コロンビア南部のコーヒーは前々から取引が活発にされていて、既にコーヒー生産地として知名度の高いナリーニョ、ウィラ、カウカなどの産地があります。北部同様に高品質なコーヒーが多く栽培されています。

ウィラ(Huila)、カウカ(Cauca)

今回訪れたのはコロンビア南西部の県のウィラ県とカウカ県です。首都のボゴタから飛行機で1時間弱で近郊のまちネイバ(Neiva)まで飛びます。そこから車で4時間ほど揺られコーヒーの生産地まで行きます。2時間ほどは標高のまだ低い1,000mほどの草原地帯を走りますが、途中から山道になり、最終的にはオフロードをひたすら走り続け標高2,000mの高地まで上がります。雄大な風景が続きます。

ウィラやカウカのコーヒーは以前からカップオブエクセレンスに入賞するコーヒーが数多く出ています。標高も高く起伏の激しい土地はコーヒーにとって魅力的な土地なのだと感じます。

今回はこの地域の3つの農園を周り、また地元のコーヒー組合にて2日間に渡り周辺地域のコーヒーをカッピングしました。

コーヒー組合

コロンビアの生産者はほとんどが3ヘクタール以下の小規模生産者です。数十から数百からなる地元生産者の組合であるアソシエーションと呼ばれる小規模組合と、数百〜千以上からなるコーポラティブと呼ばれる大規模組合があります。彼らはそれらのコーヒー組合を通してパーチメントコーヒーを販売しています。

今回はCaucaにある組合を訪れました。事務所には各生産者のサンプルが保管されていて、この場で焙煎をしてカッピングすることができます。今回は2日間に渡り周辺地域のコーヒーをカッピングしました。

甘くて重さのあるコーヒーやしっかりとした酸味のあるコーヒー、トロピカルフルーツを思わす風味豊かなコーヒーなど数多くの素晴らしいコーヒーに出会うことができました。

地元のコーヒー組合にてカッピング

ウィラ、カウカの農園へ

今回はカウカの生産者の家に宿泊させていただきました。宿泊先の村は山の谷間の標高約1,800mにあります。山の斜面にはコーヒー農園が広っていました。またコロンビア全体に言えることですが、家はとても綺麗に保たれていて非常に快適です。どの村を訪れても皆さんとても親切に接して下さいました。

明け方の村

翌朝、農園を訪問しました。植えられている品種はバリエダ コロンビア、カスティージョ、タビ、カトゥーラ、ブルボン、ティピカです。コロンビアでは耐病性があり、収穫量が豊富なバリエダ コロンビアとカスティージョが多く見られます。ただ品質がやや劣る傾向があり、高品質なコーヒー生産を目指す生産者は最近では収穫量も豊富で品質面でもより魅力的なカトゥーラに移行しているようです。

農園から見る村
カトゥーラ

カトゥーラ(Caturra)はブルボン種の突然変異種です。生産量が多く、また品質も良いとされている品種です。

カスティージョ

カスティージョ(Castillo)はコロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)が運営するコロンビア国立コーヒー研究センター(Cenicafe)の品種改良により開発された品種です。生産量が豊富でさび病にも強く、現在コロンビアで最も栽培されている品種です。

 

各生産者は収穫後に自身の農園あるウエットミル(水洗処理場)でコーヒーチェリーを処理します。まずは小型の機械(パルパー)でコーヒーチェリーの果肉と果皮を取り除き(パルピング)ます。その後パーチメントコーヒー(殻の付いたコーヒー)を発酵槽とよばれるコンクリートまたはレンガ製のタンクに流し入れ、パーチメントの周りに付いている粘着質(ムシラージ/mucilage)を酵素の働きにより除きます(発酵処理)。最後に水で洗い流し、乾燥棚で乾燥させます。

小型のパルパー(果肉除去機)
乾燥中のパーチメンントコーヒー

 

今回は3つの農園を訪問してきましたが、どの生産者も高品質なコーヒー生産に励んでいて、自身の農園をとても誇りにされていました。実際に組合で皆さんの生産するコーヒーをカッピングしましたが、どれも素晴らしい高品質なスペシャルティコーヒーでした。またそれぞれのコーヒーは農園により風味がすこしずつ違い、生産者の考え方や土地の個性が表れているのだと思いました。

どの農園でも共通して言えることは、標高が1,800~2,000mと非常に高い土地であることと、農園がとても見晴らしが良く風が良く通る地形だということ、また皆さんがとても気さくで暖かい方だったということです。

 

写真上 El Nogal農園

 

写真上 Buena Vista農園

 

写真上 Los Pallomo del Sur農園